オフショア法人とは?

オフショア法人を説明するにあたって、まずは「オフショア」の対義語である「オンショア」について説明するとより分かりやすいと思います。
オンショアとは国内市場のことを指し、オンショアでビジネスをするということは、その国での税制が適用されるということになります。

例えば、租税環境が優遇されている(租税回避地・タックスヘイブン)のセーシェルで日本人が寿司屋をオープンしたとしましょう。来店するお客様は国内に住む人々であったり、セーシェルに訪れる観光客になります。
これをオンショアビジネスまたは現地法人といい、セーシェルでは法人税率が 年間利益が85万ルピー(約720万円)までは法人税率15%となり、それ以上は32%となっています。

これに対して、日本人がセーシェルに会社を設立し、その会社の収益源がすべてセーシェル国外で作られるものをオフショア法人といい、海外収益は非課税という法人形態になります。

オフショア法人の銀行口座に各国からお金が収益として入金されてきます。そのお金を使って再投資し、投資で発生した利益分についても税金はかかりません。オフショア法人の大きなメリットのひとつと言えます。

オフショアはもともと「沖合い」という意味を持つ言葉であり、「海外」と言い換える事も出来るでしょう。 元々は天然資源が少なく、観光産業などしかない島国が外貨の取り込みと国の経済の安定のために税金を低くしたり、または無税にすることにより 各国の一流金融機関を誘致したことが始まりです。

ですから、私たちが証券会社や銀行から購入する「ファンド」商品の元々の運用元がオフショア法人で運用をしているケースが多く見られます。 オフショアとはこのような歴史、環境、経済的発展などの理由で租税環境を優遇している国のことをいいます。

オフショア会社の設立は、従来の現地法人と比べて以下のようなメリットがあります。

  • 訴訟などからの法的保護
  • プライバシーの保護
  • 容易な法人設立
  • 節税対策
  • 資産保全

オフショア法人設立と資産保全

自国内の従来の法人であろうとオフショア法人であろうと、個人資産を別の法人に移して管理するのは一般的に好ましい方法と言われています。もちろん、オフショアにある法人や資産のほうが探し当てるのがはるかに困難であり、簡単には訴訟を起こされなくなります。 オフショア法人を設立し、ノミニー(名義人)制度などの利用により幾重もの法的保護を受けることが可能となります。

訴訟などが起こった場合、弁護士はまず、勝訴した場合に回収可能な資産があるかの事前調査を行います。資産をオフショア法人に移転し、名義を自身からオフショア法人に変更することは、これらの弁護士の活動抑止に役立ち、訴訟されたり不利な判決を受けることを避けるための重要な手段となります。

正しく構造化されたオフショア法人やオフショアトラスト、オフショア財団に対して訴訟をおこすことは、外国資産の所在の特定およびその所有権の証明が非常に難しいため困難です。また、多くの管轄地域では、資金洗浄(マネーロンダリング)、武器や麻薬密輸入、税金詐欺などの場合を除いて、海外判決は認められないため、訴訟を起こす際は法人の設立国で成されなければいけません。ここで重要なのは、税金詐欺(tax fraud)とは脱税や租税回避とはまったく異なるものです。脱税は多くの国では行政上の違反に過ぎず、租税回避とは個人税や法人税を節税するために行われる完全に法的に認められている手段です。しかし税金の高い国々の政府は、これらの用語を都合良く混在させて使う傾向があります。

プライバシー

オフショア法人を使いビジネスや銀行取引、個人資産の投資を行うと、プライバシーや匿名性が更に高くなります。多くの管轄地域では、会社の取締役、株主や真のオーナー(UBO)を法人登記書類に記入しなくても良いことが多く、また公記録にも残ることもありません。

容易な法人設立

オフショア法人設立の際に見過ごされがちなメリットが、設立プロセスのシンプルさです。多くの管轄地域におけるオフショア法人の設立プロセスは、迅速かつシームレスであり、弊社ではオフショア法人設立をよりカンタンにすることを目指しています。また、オフショア法人の継続要項は現地法人よりも緩和されています。

節税

低い税率もしくは無税のオフショア管轄地域に会社を設立すると、その会社の納税額を減らしたり、納付時期を遅らせたり、納付義務を完全に無くしたりできる可能性があります。もちろん、市民または居住地である国や法人登記がある国に税金を納めるというのはよくあることですが、オフショア法人を設立することによりそれらを節税することが可能になります。例えば、海外投資を行った場合、投資により得た利益を本国へ送還するまでの間、税金を納める義務がなくなるため節税効果があります。

効果的な利用法

オフショア法人とは、単純に住居、市民権または本籍地以外の国に設立された法人のことです。世界中のビジネスを誘致し、経済発展を図る国は、競争力のある税制を実施したり、他国では無くなってしまったプライバシーレベルの保証をすることにより競い合っています。国際的に税率を競うことや、オフショア会社、オフショア業界というのは一過性のトレンドなどではありません。オフショア会社は世界経済のなかで重要かつ不可欠な役割を果たしており、国際投資の機密性と税制上効率的な手段を提供し、グローバルビジネスを行っています。
以下がオフショア法人の利用例になります。

オフショア会社設立の利用者例:

  • 商社
  • 投資持株会社
  • 使用料/特許/著作権を所有する会社
  • プロフェッショナル・サービス・カンパニー(PSC)
  • 資産保全
  • 相続税回避/遺言検認
  • プライバシー保護
  • 租税条約の適用
  • 海外不動産の所有

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